映画感想「ペンタゴンペーパーズ」

映像

ひっさしぶりの劇場鑑賞!「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」です。

オススメ度が高かったので観てきました。スピルバーグ作品はほとんど観たことがなくて、ニクソン大統領の話についてもウォーターゲート事件後のインタビューを描いた「フロスト×ニクソン」観たくらいであまり詳しくは知りません。前知識としては町山さんのたまむすび聞いたくらいです。ネタバレありです!まだの方はここでお帰りください。

イントロダクション

イントロはベトナム戦争の前線のシーンから始まります。そこに政府関係者が現状確認の為に送られますが、彼が報告した「泥沼です」という事実は国務長官により握りつぶされる。それを良しとしなかった彼の良心の呵責がその報告書、ペンタゴンペーパーを流失させます。

スクープの取り合いと「知る権利」

ワシントンポストはニューヨークタイムスに先を越されます。ポストの社主はメリル・ストリープ演じるケイという女性。亡くなった夫を継ぎ、何も知らない女性です。お嬢様。しかも、ケイはその国務長官と旧知の仲。トム・ハンクス演じるポスト紙の主幹のベンは滅茶苦茶悔しがります。

圧力との闘い

ニューヨークタイムズはその情報源から記事を書いていました、3ヶ月かけて。しかし、発行しようとしたところニクソン政権はそれに圧力がかかり差止め処分。そのとき、ポスト紙は4000ページに及ぶペンタゴンペーパーズを入手。しかしページ数が落とされていたため、文書を並べるところから始めます。

「お嬢様」vs「お偉いさん」

ポストに残された時間はたった10時間。会社理事達は「やめろ」、ベンを始めとする記者達は「やる」そこに挟まれたケイの決断は…

ケイ「兵士たちの安全は100%保証できる?」
ベン「もちろん」ケイ「ならばやりましょう」
理事たち「そんなことしてしまったら会社は終わりだぞ」
ケイ「今、この会社は父のものではない。夫の会社でもない。私の会社よ」

そう言って彼女は決断しました。会社も社員も自分の地位もかけて。

舞台は司法の場へ

発行した朝、司法省から電話が入りますがポストは聞く耳はなし。聴聞会が開かれることに。しかし、このとき他の新聞社もポスト紙を追随する記事をそろって出しました。ポストは孤独じゃなかった。そこには発行差止め処分を受けたニューヨークタイムスの社長と主幹が。ベンとニューヨークタイムスの社長は握手します。

「これは我々の闘いだ」と。その後、判決が出ます。6対3でポスト紙の勝利。判事のひとりはこう言いました。「報道機関は国民に仕えるものであり、政権や政治家に仕えるものではない」おおかたのあらすじはこんな感じですかね。抜けてるとことかあると思います…すいません。

わたしの感想

個人的に感じたのは、この映画は報道の自由のみならず女性のための映画なのではないかということです。「お飾り」扱いされていたケイがこんな重い決断を迫られてそれでも最終的に決断しました。途中で国防長官のところに行き、ふたりで話し込みます。

そのとき「ケイ、やめたほうがいい」と言われるのですが、ケイはこう言いました。「私は許可を貰いにきたんじゃないわ」もうこのとき、彼女は国防長官と対等の立場で、友人としての立場を捨てたんでしょうね。

ベンは過去JFKとの付き合いがありましたが、銃撃され亡くなったとき夫人にこう言われたのです。「このことは外に漏らさないで」ベンはJFKのことを取材対象だなどと思ったことはなかった、けれど相手はそうではなかったのだとケイに話していました。その影響はきっと大きかったんでしょうね。

ベンは作中、何度も言いました。「報道の自由を守るためには、報道するしかない」この言葉がすごく印象的でした。今、この映画を観る意味をすごく重く感じながら、これに続く「ザ・シークレットマン」を観に行きたいです。あと、「大統領の陰謀」も。

日本国憲法第21条 表現の自由①集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。②検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

今回はここまで。

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